Essay2009

エッセイ                                                           

音楽のこと、モスクワでのこと、日常のこと

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2009年10月22日

ヴァイオリニストのひとりごと(-。-;)



すっかり秋らしくなりましたねぇ(^ニ^)
秋は食欲の秋とも言いますが、芸術の秋でもあります。
涼しくなってくると何となくモスクワ時代のことがよく思い出されます。
最近、何気なく師匠のハチャトリアンの協奏曲の録音を久しぶりに聞いてみました。
厳しいレッスンの様子も思い出しましたが、師匠の素晴らしい芸術性とその倍音の
豊かな音色にとても強い衝撃を受けました。
普段の忙しさから、また混沌とした世の中で今現在、何をすべきかつい忘れがちですが、
師匠の「言葉!!」で目を覚めさせられました。
自分を見つめなおす、また音楽について考え悩む時間、この過程は芸術家にとって、
とてもとても大切なのです。芸術家とは本来孤独な存在なのです。




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ワレリー・クリモフ   ハチャトゥリアン:Vl協奏曲 Vl:クリモフ、Cond.:スヴェトラーノフ、ソヴィエト国立響     ♪右クリックでダウンロード、再生出来ます。


崔 文洙




2009年9月5日


時間が過ぎるのは本当には早いもので前回の更新から4ヶ月がたってしまいました。
すみません(×_×)
今年の夏はさほど暑くもなく、これから農作物の収穫に影響が無いか心配ですねぇ。
選挙は熱い結果が出ましたが。
国民の期待が大きい分結果が早く出ないとマスコミ始め世論が、
直ぐバッシングに走ると思われるのがまたまた心配の種ですが。
新しい鳩山政権を少し温かく見守ってあげたいものですね。

8月は久石さんのツアーで札幌、仙台など周りましたが、10数年ぶりの夏の札幌はとても
気持ち良かったです。気候も何となくヨーロッパに近い感じがします。
湿度も低く弦楽器にはとてもいい感じです。
キタラホールは前回小澤さんと行ったのですが、今回久しぶりに弾いてみると
ホール自体の響きも大分落ち着いた感じになって、随分まろやかになっていました。
コンクリートも木も乾燥してきて程良い残響になっていました。
本当にホールは楽器と一緒ですね。まるで生き物です。
仙台も東京より大分涼しくて夏の蒸し暑さとは無縁でした。
僕は暑がりなので助かります。
牛タン、とても美味しいですねぇ(^ニ^)
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東京に戻ったらまだ蒸し暑く、最近流行りの豚●●●●にかかってしまいましたが(>_<)ゞ
もう来週から新しいシーズンプロの始まりです。
新年度も皆様の温かい御声援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます<m(__)m>


最近また新しいとりさんが仲間入りしました。
ヨウムのたっくんです。
とても賢いとりさんで僕が飼ってると言うよりとりさんに僕がコントロールされてるみたいです(^_^)
まだ3月生まれのひなですが寿命は50年くらいあるみたいなので。。
こちらも長生きしなくては(◎-◎;)


崔 文洙


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2009年5月17日



春もあっという間に過ぎてしまい、梅雨のような蒸し蒸しした陽気が近づいてきました。

4月の上岡さんは初めての共演でしたが、とても楽しく演奏させて頂きました。
曲の本質をしっかり掌握され、R・シュトラウスの世界をとても丁寧に表現されていたと思います。
さすがオペラを数多く振ってこられた方だなぁと、とても感心しておりました。
その上岡さんの自然なタクトのお陰で、町人貴族、家庭交響曲のヴァイオリン・ソロは
とても自由に弾かせて頂きました。曲全体の構成も素晴らしかったと思います。
またいつか共演させて頂きたい素晴らしい指揮者です。

4月もあっという間に過ぎて、5月に入り、現在は5月31日に予定されております、
トリオ・エドアルテ、定期演奏会の練習に集中しております。
今回はM・レーガーの弦楽トリオ、ベートーヴェンの第1番のトリオ等
とても充実したプログラムなので、是非足をお運び頂ければ幸いです。
場所は銀座の王子ホール、開演は14時からです。どうぞ宜しくお願い致します。


4月のまだ寒いとき、1stヴァイオリンのメンバーで花見を行いました。
場所は錦糸公園で、始めは寒くて人数もそこそこだったのですが、
2次会では事務局の方々も混じってとても盛り上がった会になりました。

Che Munsu


P4020397.JPG錦糸公園P4020408.JPG2次会の居酒屋








2009年4月1日



2009年に入ってあっという間に3ヶ月が過ぎてしまいました。
暖かくなってくるのは何だか嬉しいものですが、
花粉症なのでこの時期はあまり好きではありません。
皆様も花粉症で苦しんでいらっしゃると思います。
本当に何とかならないものでしょうか。

前回のエッセイから更新が大分遅くなりましてすみませんでした。
今年に入っても慌しく時間が過ぎていきます。
2月はブリュッヘンのハイドン、室内楽シリーズでのショーソン、
3月はハーディングの定期、室内楽シリーズでのハイドンの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」、
小澤さんのエリヤ、その間にエドアルテの演奏会や他の都市のオケにゲスト・コンマスで何度か出演したりしていたので、
休みもなくバタバタしておりました。

ブリュッヘンのハイドンは聴衆のみならず演奏家の立場からみても、とても素晴らしく
幸せなひとときでありました。
あのように、当時の様式に精通し、その様式観を大切にしながらも、
さらにブリュッヘンの持つ素晴らしい音楽性とバランス感覚が融合し、
また彼のオケのプレーヤーたちに対する信頼関係が、特別な世界を創りあげていました。
あのようなハイドンを体現する機会は滅多に無いと思います。
本当にいつまでも元気で長生きして頂きたいです。

4月は上岡さんでR・シュトラウスの町人貴族と家庭交響曲の定期がありますが、僕としてもとても楽しみです。町人貴族は小編成で、どちらかというと室内楽に近いと思います。また滅多に演奏されないので、
是非楽しんで聞いて頂けたらと思います。


お花見でもしたいところですが。。
さくらは暖冬の影響もあってあっという間に咲いてしまうので、時間をみつけて夜桜見物でも出来たらと思います。
まだ夜は寒いですけど・・・。


チェ・ムンス



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音楽に合わせて体全体でリズムをとる
ハラショー(^o^)
かわいいヤツです(∩.∩)



2009年2月1日



最近色々20世紀の巨匠達の録音を聞いていてつくづく思います。
昨年のエッセイの中でも触れましたが、世の中、こんなに便利になっても素晴らしい
芸術家が少ないことに危惧すら感じます。
買い物はネットで、細々した買い物はコンビニで。。。
音楽の世界もコンビニ化してきていると思います。
ある脳科学者が言うには人間は情報が少なくてもストレスが溜まるし、
多すぎても同じようにストレスが溜まるそうです。
今の世の中は情報が氾濫しすぎているような感じがします。
殆どが根拠の無い情報ばかりですし。。。
何か集中して物事を掘り下げていくためには、極端に言うと引きこもるしか方法は無いかもしれません。

僕個人もこの文明の便利さを享受し、仕方なく携帯電話を持ち利用しています。
しかしかつてロシアにいる頃は待つこと待たされることは当たり前、数時間に及ぶ行列、
物事が予定通りにいくことは殆どありません。
なのでいろいろなスケジュールのパターンを作って生活するのが当たり前になっていました。

その当時、ロシアでは物不足が慢性化していました。
ある日、街の通りに長い(かなり)行列が出来ているので取りあえず最後尾に並びます。
「どなたが列の最後尾ですか?」っというロシア語は知らないと生きていけません。
その行列に並んで前のひとに何を売っているのか尋ねるとトイレットペーパーが売っているとのこと、
しばらく見ていなかったので並んで買うことに。。
(トイレットペーパーといっても固くて、わら半紙のような紙です。)
しかし、しかしであります。極寒のモスクワの通りで2時間近く並んだにもかかわらず
僕の目の前の人で品物がなくなってしまいました。トホホです。
しかしカリカリしても仕方ないのです。諦めて気持ちを直ぐに切りかえます。

そんな生活の中でもヴァイオリンのレッスンは週に3回ありました。
毎回違う曲を持っていかなくてはならないので、とにかく大変でした。
レッスンは生徒と沢山の聴講生で毎回マスター・クラスです。
クラスの中は毎回張り詰めた緊張感と熱気に包まれていました。
みな最大限頑張ってレッスンに曲を持っていくのですが、
さらに情け容赦ない先生の厳しい要求が飛んできます。
それに先生は現役バリバリのスーパーソリストなので実演してくれるのですが、
これが凄い!!!!!うますぎてどん底まで突き落とされます。
それから僕の先生(ロシア人の先生は大概そうですが)はほとんど褒めません。
最高の賛辞は「悪くない。」でした。この言葉を聞くととても嬉しかったものです。
とにかくレッスンはとてもとても厳しかったです。
あまりの厳しさに西側から来た生徒の中には、耐えられなくて2、3ヶ月で帰国してしまうものも
沢山いました。
パリやウィーンの有名な音楽院で一等賞を取って意気揚々とモスクワに来るのですが、
1回目のレッスンで「クロイツェル」のエチュード1曲、「正しく!!」弾けないことを
とことん思い知らされるのです。
よく「褒めて育てる」とかいう人もいますが僕にはピンときません。
あの当時、あの厳しい生活環境のなかで、すばらしい芸術家を排出し続けたのです。
今現在、何でも簡単に、便利さばかりが優先されて、ものごとを深く掘り下げていくことが
なくなってきているように思います。全ての面において。。。
ドイツの○○○○・フィルもネット配信を始めるそですが(1回10ユーロ!!)、
何でも商売にしてしまう感覚、芸術も音楽も商売優先になってくると、
本当の意味での芸術の発展はありません。本来は真逆のはずです。
手段と目的を履き違えてます。

僕は芸術至上主義で頑固に生きていきたいと思います。
ですが最近の音楽業界の風潮には危機感すら感じる日々です。


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最近は動物たちの間でもメタボが流行ってるみたいです(@_@;)

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寒い日はおうちの中がいちばんです∈^0^∋ の、どれみちゃん。


崔 文洙



2009年1月15日



随分寒くなってきました。
今週は仕事で関西方面に来ております。今日は山陰の出雲市で演奏会なのですが、さすがに出雲は寒いです。
日本海側はまた雪も多くて、最近東北にも行っていたのですが、そこよりも沢山積もってました。
出雲のように雪が沢山降る所は湿度が結構高いのですが、東京はこの時期とても乾燥していて
古い楽器の管理には神経を使います。あまり神経質になっても良くないのですが、
鳴りや響きが変わるので年柄年中苦労してます。
夏の湿気も恐ろしいのですが。。。

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また明日は神戸に移動なので時間があれば念願だった神戸花鳥園に行ってみたいと思います。。。

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それでついに神戸花鳥園に行ってまいりました。
とりさんずきの僕としては天国でした。
どのとりさんもひとにとても良く馴れていて本当にかわいいです。
エサの入ったカップを持ってると飛んできて腕に乗ります。それでカップのエサをたいらげて
また別のエサのあるところに飛んで移動します。
花鳥園の目玉はフクロウさんで、特にいろいろな種類のフクロウさんが沢山います。
また触れ合うことが出来るのでとっても楽しめました。
羽毛のなんとも柔らかいこと。。。
なるべく音を立てないで獲物を捕まえるには柔らかいフサフサの羽が必要みたいです。
とりさんに興味のある方は是非足を運んでみてください。

とりさんたちの写真、アップしてみますね。

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でもやっぱりうちのハラショーが一番です>^_^<
とりさんも羽毛布団がお好きなようです(^。^)



崔 文洙



2009年1月1日 謹賀新年



新年、明けましておめでとうございます。
昨年は沢山のお客様にコンサートホールに足を運んで頂まして誠にありがとうございました。

今年もオケのほうでは2月からブリュッヘン氏のハイドン・プロジェクトが始まります。
2月19日はトリフォニーホール小ホールにてショーソンのSoloVl,Piano,StringQurtetの為の協奏曲を
僕と兄とオケの仲間で演奏します。
3月には新日本フィルとも相性の良いダニエル・ハーディング氏を迎えての定期。
また室内楽シリーズではハイドン:「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」を演奏予定。
5月31日にはトリオ エドアルテの王子ホールでの定期演奏会。
滅多に演奏されないレーガーの作品を取り上げます。 
12月には小澤征爾指揮、新日本フィル特演にて 
バースタインのセレナーデを共演予定。

これ以外にも沢山の演奏会が企画されると思いますので、随時ホームページでお知らせ致します。

今年も更なる飛躍を目指してとことん頑張って行きたいと思っております。
皆様の暖かい御声援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。



崔 文洙



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ペットショップにいたふくろうさんです。
流石に貫禄がありますね(^o^)
全ての皆様に福が訪れますように。。。